
仏壇を処分する前に僧侶に魂抜きを依頼したいと考えている人に、今回の記事はおすすめです。魂が宿っている仏壇をそのまま処分するのはマナー違反です。きちんと僧侶に魂抜きを依頼しましょう。なお、お布施の相場はありますが、明確な料金体系は設定されていないので、自分の経済事情に合わせて用意しましょう。
お仏壇の魂抜きとは?
仏壇には魂が宿っているので、仏壇を処分するときにそのまま処分するのはマナー違反です。そのため魂抜きを行いましょう。
魂抜きとは
墓や仏壇に宿った魂を僧侶に抜いてもらう儀式を指します。墓や仏壇に宿った魂を抜いてもらうのがマナーといわれています。
仏壇を何かしらの理由で処分したいと考えている人は、リサイクル業者などに仏壇の処分を依頼するでしょう。リサイクル業者が仏壇を回収した後に、僧侶による魂抜きが行われると安心して処分できます。
魂抜きを行わないで家具などと同じように処分を依頼する人がいますが、事前に魂抜きを行うほうが好ましいでしょう。また、日本では古くから仏壇の前で手を合わせる行為が当たり前となっていますが、これは仏壇に魂が入っていると考えられているからです。
浄土真宗の場合
ほかの宗派とは考え方が異なるので特徴を紹介します。浄土真宗には魂入れの法要は行われません。遷仏法要の儀式などが行われます。
魂抜きで支払うお布施の相場
明確な料金体系が設定されていないのが特徴です。しかし、相場と同じ料金であれば問題ないでしょう。あくまで僧侶に対する感謝の気持ちを伝えるものなので、見栄を張る必要はありません。
お布施とは
僧侶に支払う謝礼を指します。魂抜きを僧侶に依頼したので、その場合の読経料というように捉えている人が多くなっています。
しかし、本来の意味は僧侶の労働に対する対価として支払われるものではありません。実質的には寺院に寄付することを指します。僧侶に対する感謝の気持ちを込めて渡すものとなっているので間違えて認識しないようにしましょう。
語源
本来は金銭を渡さなくても問題ないといわれています。その理由は、古来の日本で粗末な衣服を身に付けていた僧侶に、衣服を施したことからお布施とよばれているからです。
しかし、ものが溢れている現代ではそのようなことができません。寺院の運営のために使用してほしいという願いを込めて金銭を僧侶に渡しています。
お布施
こちらは1~3万円が相場となっています。4万円は縁起がよくない数字として捉えられているので避けるようにするのが一般的です。サービスや商品を消費するときには料金が明確になっていますが、僧侶に支払うお布施は相場が設けられているだけで、明確な料金体系はありません。
あくまで僧侶に対する感謝の気持ちを表現していて、寺院の運営に役立ててもらいたいと考えているものなので、自身の経済事情に合わせて用意するようにします。なお、寺院で僧侶に読経を依頼した場合は、お車代やお膳料の支払いは不要です。
お車代
こちらは5,000円~1万円が相場となっています。自宅や墓まで出向いてもらった場合は支払いましょう。
お膳料
こちらは5,000円~1万円が相場となっています。会食に僧侶が参加できなかった場合に支払うようにします。なお、僧侶が会食に参加した場合は支払う必要はありません。
使用する封筒
水引のない無地の白封筒が多く使用されています。こちらは宗派を問わず使用できるようになっているので、どのような封筒を準備すればよいのか分からないときは、こちらを準備しましょう。
なお、関西地方では黄白の水引が多く使用されています。地域にもよりますが、双銀の水引を渡す場合もあるので地方の慣習に従いましょう。
お布施の渡し方のマナー
そのまま僧侶に手渡しするのはマナー違反です。当日までに正しい渡し方をマスターしましょう。一般常識となっているので恥をかいてしまいます。
渡し方
紙幣をそのまま渡すことや、封筒に入れた紙幣を手で渡すのはマナー違反となっています。日常生活でサービスや商品を消費するときに支払う方法とは異なるので注意してください。
渡し方は、まず切手盆を用意してお布施の文字を自分が読める向きに設置します。次に、僧侶がお布施の文字を読めるような角度になるまで切手盆を回転させます。そして、読経のお礼を述べて差し出します。このような流れになっているので、事前に切手盆の準備も忘れないようにしましょう。
入れ方
紙幣は新札を用意します。お札の向きや使用する筆についてもマナーがあるので確認しましょう。一般的に、お札の向きは肖像画が上になるようにします。そして、毛筆で記載するようになりますが、濃墨を使用しても構いません。薄墨でも問題ないのでどちらか選択しましょう。
まとめ
お布施を渡す機会は日常生活で頻繁に発生しないので、渡し方に自信がない人は事前に練習しましょう。また、料金相場を踏まえて金銭を準備すれば問題ありません。読経後にすぐにお布施を僧侶に渡せるように、切手盆とともに準備しておきましょう。
分からないことは寺院に確認することもできるので、自分で思い悩まないようにしてください。きちんとした手続きを経てから仏壇を処分してください。