
引っ越しや遺品整理などの際、仏壇を引き継ぐ方がいない場合は処分します。しかし、仏壇をどうやって処分したらいいのか悩み、なかなか手放すことができない方は少なくありません。本記事では、適切な仏壇の処分についてご紹介します。また、処分する際の注意点も解説していますので、参考にしてください。
目次
そもそも仏壇を粗大ごみに出していいの?
結論からいいますと、仏壇を粗大ごみとして出すことは可能です。とはいえ、ごみステーションに仏壇が粗大ごみとして出されている光景を目にする機会は、ほとんどありませんよね。
一般的に仏壇を処分する際、引取り業者やお寺などに依頼するケースが多く見られます。以下では、粗大ごみとして処分・引取り業者を利用するメリットとデメリットについて、それぞれ解説していきます。
自治体の粗大ごみとして処分するメリットとデメリット
自治体の粗大ごみとして処分するメリットは費用にあります。粗大ごみの費用は自治体ごとで異なり、仏壇のサイズによっても料金は変わります。しかし、高くても3,000円程度で処分できることがほとんどです。
一方でデメリットは、自治体によっては仏壇の解体が求められたり、閉眼供養するところを探したりするなどがあります。また、自治体のなかには仏壇を粗大ごみとして回収しない場合もあり、自分自身で引取り先を探さなければいけません。
費用は抑えられますが、場合によっては自分でやることが多くあるため、疲労を感じやすいでしょう。
引取り業者を利用するメリットとデメリット
引取り業者を依頼するメリットは、供養から処分までを行なってくれることです。粗大ごみの場合、ほとんどを自分で行う必要がありますが、引取り業者であれば作業員がほとんど対応します。疲労感や精神的な負担が少なく済む点は、引取り業者の特徴です。
一方デメリットは、費用が高くなることです。業者ごとで費用設定は異なりますが、粗大ごみとして処分するよりも高額になるケースが多く見られます。
また、料金の安すぎる業者を選ぶと、悪徳だったり思わぬトラブルが発生したりする場合があります。口コミや評判などを見て、慎重に業者選びをしなければいけない点も引取り業者を利用するデメリットです。
仏壇を粗大ごみとして処分する方法
仏壇を粗大ごみとして処分する場合、どのような方法で行うのでしょうか。自治体ごとで手順が異なることがありますが、ここでは基本的な流れを解説します。まずは、自治体に粗大ごみの申請をします。
粗大ごみの申請方法ですが、電話で受け付ける自治体もあれば、ネットから申し込みもできるところもあります。住んでいる地域の申請方法を市のホームページなどから確認しましょう。
また、すべての仏壇が粗大ごみとして処分されるとは限りません。仏具などは別方法で処分するなど、自治体に処分できるものを相談します。仏壇の処理を確認したら、粗大ごみとして処分できるものとできないものに分けます。
仏壇を分別する前に、魂を仏壇から抜く「閉眼供養」を済ませましょう。閉眼供養はお寺やお坊さんに依頼して行われます。その後、コンビニや処理券を販売するお店で、処分費用分のごみ処理券を購入します。
回収当日に、職員がわかる場所にごみ処理券を貼り、指定された場所に仏壇を出して完了です。
仏壇を粗大ごみに出す際に注意するべきポイント
粗大ごみは費用を抑えられるため、利用を検討する方も多くいるでしょう。しかし、仏壇を粗大ごみに出す際、次のポイントに注意してください。
処分前に閉眼供養を行う
そもそもご先祖様が亡くなったとき、仏壇に魂を宿すという「開眼供養」が行われます。供養せずに仏壇を処分すると、ご先祖様の魂も一緒に処分してしまいます。そのような状況にならないために、処分する前に仏壇から魂を抜く閉眼供養を行う必要があります。
閉眼供養を行うお坊さんを探す方法は、檀家に連絡する・お坊さんを紹介するサイトを利用・檀家以外のお寺に相談するなどです。
これらのなかで最もスムーズにやり取りができるのは、交流のある檀家ですが、都合が合わない場合はお坊さんを紹介するサイトに連絡しましょう。希望日に合わせてお坊さんを手配してくれます。
自力で仏壇を指定場所へ運ぶ手段を考える
粗大ごみで処分する場合、収集場所まで自分で仏壇を運びます。小さめの仏壇であれば問題なく運べますが、大きい仏壇だと重量もあるため、運ぶことが大変な場合があります。
とくにマンションの上階でエレベーターのないところは運び出すのが難しいため、解体したり人員を用意したりするなどの対策を考えましょう。
手間のかかる仏壇の処理は引取り業者に依頼するのがおすすめ
粗大ごみとして処分すると費用を抑えられますが、処分できるものを分別したり、供養の手配をしたりするなど、手間がかかります。そのため、供養・処分どちらも対応する引取り業者に依頼することがおすすめです。
自分の手で仏壇をごみステーションに運んで処分することは、精神的な疲れが溜まります。引取り業者は、精神的な負担を軽減して適切な方法で供養・処分するので、安心して任せられます。
まとめ
仏壇を粗大ごみとして処分できますが、親族や家族のなかには「仏壇を粗大ごみに出すことに気が引ける」と考える方もいます。処分方法で揉めるケースも見られるため、供養・処分を丁寧な作業で進める引取り業者の利用がおすすめです。
引取り業者であれば、自分で供養先を探したり、処分の分別をしたりすることがありません。仏壇処理の精神的な負担も軽減されるので、引取り業者でご先祖様が安心できる処分を実施しましょう。