
これから位牌を処分しなければいけない人や、処分方法について知っておきたいと考えている人に、今回の記事はおすすめです。位牌は魂抜きが行われるまでは処分してはいけません。菩提寺の僧侶などに魂抜きを行ってもらってから処分しましょう。処分方法はいくつかあるので、自分に合った方法を選択してください。
位牌の処分が必要になるケース
ライフステージの変化や法要に一区切りがついたタイミングで、位牌の処分が必要になるときがあります。そのときに慌てないようにしましょう。
位牌を作り替えたタイミング
さまざまな理由で位牌を作り替えるときがあるでしょう。たとえば、古くなってしまった場合や傷んでしまった場合です。また、夫婦連名のものに作り替える必要が生じたときにも該当します。
新しい位牌を受け取った後は、それまで使用していた位牌を処分することになります。しかし、人生のなかで何度もこのような経験を積むわけではありません。古くなった位牌をどのように処分すれば分からない人も、適切に処分できるようにしましょう。
引っ越しのタイミング
現在の居住地から引越しするタイミングで、位牌の処分を検討する可能性があります。新居のスペースが狭くて現在の仏壇を設置できない場合や、和室がないのでリビングに仏壇を設置するのに抵抗がある場合などです。この機会に、ほかの不用品と同じく処分を検討する人が増加します。
遺品整理のタイミング
位牌を継承する人がいないと処分しようと考えるようになります。ほかの遺品と同じく処分してもらいたいと思うのでしょう。ほかの仏具も一緒に処分してもらいたいと考えている人もいます。
法要に一区切りをつけたタイミング
三十三回忌が過ぎると、誰もが極楽浄土に行けると信じられています。そのタイミングで故人の位牌を処分するようになっています。その後は、先祖代々の位牌に合祀されることになります。
ただし、宗派により違いがあるので注意が必要です。五十回忌を一区切りのタイミングとしている宗派もあります。三十三回忌はすべての宗派に共通するわけではないことを認識しましょう。
正しい位牌の処分方法
必ず魂抜きを行ってからごみとして処分します。ごみとして自分で処分することに抵抗を感じる人は、焚き上げなどの方法を選択しましょう。
そのまま処分するのはもってのほか
故人そのものを表しているので、ほかの不用品と同じように、そのまま処分するのはよろしくありません。きちんとした手順で処分することになりますが、そのためには菩提寺や自治体などの協力が必要です。
魂抜きを菩提寺に依頼する
不用品として処分する前に魂抜きを行います。そのため、処分を決定したタイミングで寺院に連絡しましょう。ただし、菩提寺が遠方にある場合などは、葬儀を担当してくれた寺院に問い合わせましょう。
問い合わせた後に日程を調整することになります。こちらの日程が確定してから、不用品として回収する方法を検討しましょう。順序が逆にならないように気を付けてください。
魂抜きを行う
自宅で僧侶に読経してもらいます。お布施を忘れずに準備しましょう。また、出張費としてお車代を差し出す場合もあります。
位牌の処分
自治体のごみ区分に従って処分できます。しかし、近所の住民に知られるのが怖い人や、誰にも気づかれずに処分したいと考えている人もいるでしょう。
また、ほかのごみと同じように処分することに対して、抵抗を感じる人も一定数存在します。そのような人は焚き上げ、仏具店に引き取ってもらう、不用品回収業者に引き取ってもらうなどの方法を選択しましょう。焚き上げは菩提寺の僧侶に相談しましょう。
仏具店に引き取ってもらう方法もありますが、仏具店で購入した場合に限り引き取ってくれるかもしれません。詳細は確認しましょう。不用品回収業者はスピーディーに丁寧に対応してくれますが、悪徳業者には気を付けてください。料金の相場を知っておきましょう。
仏具の処分方法
遺影や仏像などを処分するときも、魂が宿っていると考えられているので慎重に行います。これらは礼拝仏具とよばれているもので、できる限り魂抜きを行うほうがよいとされています。仏壇と同じように供養しましょう。
位牌処分時に注意するべきポイント
後から家族間のトラブルに発展しないように、事前に家族と話し合っておきましょう。家族にとって大切なものなので、自分だけで決定しないようにするのがポイントです。
家族の理解を得ておく
たとえば、自分が引っ越しのタイミングで仏具を処分したいと考えていたとしても、家族の了承を得てから行動に移しましょう。家族間のトラブルに発展する可能性があります。
まとめ
位牌を処分する前に、家族で話し合う時間を設けましょう。ほかの人が知らない間に処分すると、家族間のトラブルが発生するでしょう。了承を得てから取り組むようにしてください。
また、魂抜きを行うのは位牌だけではなく、遺影や仏像なども同様です。基本的に魂抜きが必要ではないといわれていますが、魂が宿っているとされているものは、きちんと手順を追ったほうが望ましいでしょう。後悔しないようにきちんと取り組みましょう。