
高齢化社会を背景に、さまざまな文化が形を変えつつある今、仏壇にもその波は及んでいます。老人ホームへの入居や引っ越し、相続等の機会に仏壇を処分する決断をしたら、引取り業者に依頼をしましょう。では、仏壇引取りサービスを利用する場合、費用相場はいくらなのでしょうか。この記事にて詳しく紹介します。
仏壇引取り業者を利用するメリット・デメリット
本来なら、大切な住まいの仏間に静かに佇むはずの仏壇ですが、引っ越しや住まいの解体、相続人の都合などにより、処分せざるを得ない場合があります。近年、仏壇の引取りニーズは増加しており、仏壇の在り方は変化しつつあります。
マンションやアパートにある仏壇はコンパクトなものが多いですが、地方によっては、大きなサイズの仏壇を管理する必要があり、高齢化とともにサイズ変更や解体を検討する人が増えています。
では、仏壇を処分する際に、仏壇引取り業者を利用するメリット・デメリットとは一体どんな点でしょうか。
メリットとは
仏壇引取り業者は、住まいの中にある仏壇の運び出しから、閉眼供養や処分・解体までを一元的に行ってくれます。仏壇の処分は、業者を利用しなくても自治体のごみに回収してもらう、一部を骨とう品に持ち込んで買取してもらう、等の手法もあります。
しかし、仏壇には大切なご先祖が眠っており、処分時には閉眼供養を行う必要があります。
一般的には、菩提寺に依頼しますが、遠方のご親族や他宗派の信徒の場合には、菩提寺と連携することが難しい場合もあります。仏壇引取り業者の場合は、一元的に処分までを請け負ってくれるため、スムーズな処分が実現できます。
デメリットとは
ご自身でごみとして処分する場合、手配自体は煩雑であっても、費用は安く抑えられます。とくに自治体が格安で処分を受けている場合には、格安で処分を終えることが可能です。
(但し自治体によってごみのルールは大きく異なります)ご自身で処分するよりも、仏壇引取り業者に依頼をする方が費用は高くなります。時間がかかっても格安で処分をしたい場合、業者の利用はデメリットに感じるでしょう。
仏壇引取り業者を利用した場合の費用相場
仏壇引取り業者を利用すると、一般的に費用はどの程度かかるのでしょうか。この項では費用相場を解説します。
大きさによって相場は変動する
仏壇は、お一人でも抱きかかえられるコンパクトなサイズもあれば、大人が数人で運び出さなければ動かすことも難しいサイズもあります。そのため、仏壇の引取り費用は、大きさによって相場が変動します。
一般的に業者に引取りを一任する場合、相場としては25,000円~10万円程度とされています。この費用に別途、閉眼供養の費用が加算されています。閉眼供養は、供養のための経をあげてくれる僧侶に支払うお金です。
ご自身で菩提寺に依頼する場合には、この僧侶への費用を業者側が請求することはありません。
買い替え時には割安のケースも
仏壇をもっとコンパクトにしたい、古くなった仏壇を新しいものへ変えたい、など仏壇の買い替えを行う場合には、買い替えサービスを展開している業者を選ぶと、費用が抑えられる可能性があります。
不用品として処分する場合は数万程度
遺品整理業者など、不用品をまとめて処分する業者も、仏壇の引取りを行っています。こうした業者は、閉眼供養を別途ご自身で手配することが多いですが、不用品として一律に回収してくれるため、格安で請け負っています。
相場としては数万程度です。故人の遺品などをまとめて処分する場合には、仏壇回収費用とは別に作業費がかかります。家電製品、衣服類などすべて処分したい場合は、こうした請負業者を活用する方法もおすすめです。
仏壇処分にかかる費用を安く抑えるためには?
仏壇は本来、次世代へ残すイメージのあるものでしたが、生活様式の変化に伴い、仏壇や墓は「しまう」ことがポピュラーとなりつつあります。
相続時には、仏壇以外の処分にも追われることが多く、できれば仏壇の処分費用は安く抑えたい、と感じる人も多いでしょう。では、仏壇処分を安くするためにはどのような工夫が考えられるでしょうか。
ご自身で供養を依頼後、粗大ごみにする
もっとも費用を格安で抑える方法は、ご自身で全て行うことです。供養は割安で受けてくれる僧侶に依頼し、閉眼供養が終わったら、解体したのちに、粗大ごみとして処分します。この方法なら、お布施代とごみの回収費のみで終わるので、1万円未満で完了します。
菩提寺によっては格安のケースもある
お寺とのお付き合いが長く、仏壇の供養から処分まで受けてくれる場合には、お布施程度とお寺への運搬費用のみで終えられる場合もあります。ただし、菩提寺であっても、閉眼供養は行えても、仏壇の処分は受けない場合もあります。
お布施代金のみで終われば、ごみ処分と同等の費用(数千円程度)で終えられます。しかし、費用相場は寺によって差異があるため注意が必要です。見積もりを依頼するつもりで、相談するとよいでしょう。
まとめ
仏壇の引取りや処分に直面する方の多くは、身辺整理や相続など、その他の業務にも追われている方が多く、スピーディーに閉眼供養から運び出し、処分までを終えたいと考えています。
仏壇の引取りサービスはご自身で処分をすべて担うよりは費用がかかるものの、処分に向けて一元的に請け負ってくれるサービスです。また、丁寧に仏壇を扱い最後まで見送ってくれます。仏壇を処分せざるを得ない場合には、信頼できる仏壇引取り業者に依頼しましょう。